ちょっと前に、学生時代からの友人が結婚した。大学4年間よくつるんでた仲で、ここ最近は互いに忙しくて会ってなかった。彼女が出来たとは随分前に聞いてたが、まさかこんな早くにするとは思わなかった。それもそのはず、デキちゃってたんです。ちな、俺ら27歳、奥さん26歳。
披露宴にも行ったし、その後の3次会まで出た。その日初めて奥さんに会ったんだが、なんというか・・・地味というか派手さがないタイプ。ガハハ!と騒ぐタイプではなく、隣で微笑んでるタイプかな。お金持ちじゃないけど育ちが良いらしい。お父さんは某旧帝大の教授で、お母さんは某企業の研究員だとか。
兄も弟も高学歴で平均収入が高い会社TOP20に名を連ねてる企業で働いてるエリート。でも奥さんは名も無き私大の文系出身で、派遣社員だったというからギャップが凄い。女の子だから勉強しなかったのかな。だからあんなことを・・・・・って感じですが。
無事子供が産まれてからしばらくした頃に、やっと出産祝いを持って自宅に行った。友人はデレデレしたパパの顔だった。それを奥さんが愛おしむように眺めてる。あぁ~こういうのが幸せって事なんだなぁ~って改めて思った。でも実は奥さん、超ハラハラドキドキしてたみたい。全く顔に出てなかったから、やっぱり女ってスゲ~なぁ~と思ったよ。
そろそろ帰るよって話をした直後だった。友人がトイレに行って扉を閉めた瞬間、奥さんが身を乗り出してきた。「○○さんて○○○の制作会社?」「えっ?何で知ってるの?どこかで知り合ってたっけ?」「やだ・・・信じられない・・・はぁぁ・・・・・」頭を抱え込む奥さん。「ちょいちょいwどうした?俺何かした?」「はぁぁ・・・・・吐きそう・・・・」「えっ?マジ?ホント何?」「彼のスマホで今夜電話してもイイ?大丈夫?」「それはイイけど・・・マジで何なの?」「後で話すから」
言い終える直前に扉が開き友人が戻ってきた。「じゃ~駅まで送ってくよ」「あ、大丈夫だよ、子供じゃねーんだしw」「そうか?じゃ~そこまで・・・」
意味深な表情をする奥さんに挨拶をして家を出た。大通りまで見送ってくれた友人にお礼を言ってそこで別れた。そして23時半過ぎ、言ってた通り電話がきた。友人はお風呂に入ってるという。
「もうずっと前だけど、1回会ってるの、ホントに分からない?」
「いやぁ~そう言われても全然、だって俺ナンパとか合コンとか無縁だしさぁ」
「分からないなら別にイイんだけど、気になっちゃって頭がおかしくなりそうで」
「てか俺と何かした?さすがにヤッた子だったら俺忘れてないんだけど、少ないからw」
「ヤッてない、ヤッてないけど、ヤッてるの見られてるの」
「いやいやいやwwwそんな事あるわけないじゃんwww・・・・・あっ?!マジ?えっ??」
どうやら昔1回だけAV撮影のバイトをした時だと気がついた。でも奥さんを思い出す事ができない。それを正直に喋って謝って、絶対に他言しないと約束した。映像では目にモザイクが入ってるから、ずっとバレしてなかったらしい。だから俺がバラさないと・・・・って話だった。
奥さんは泣きながら懇願してきた。旦那の事より子供の事を引き合いに出してきてね。ちょっと友人が可哀相に思ったけど、他人の幸せをブチ壊すのもね。
ってことで奥さんと約束した。俺がバラさないという宣言も録音もされたしな。書面だとそれを見られたらアウトだしって事で。どうせ誰にも言わないからって思ってたが、それで少しは気が楽になればって思ってね。ぶっちゃけ奥さんのことより友人の方が心配だったから。
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