先輩が病気になり、ある研究所への仕事を引き継ぐ事になった。
引き継ぐといっても3カ月の期間限定。
研究所なんて行った事が無かったから、初めの数週間はかなりしんどかった。
救いだったのは担当の人がパチスロ好きで、共通の話題があった事。
出身校聞くとすげぇ~優秀なくせに、仕事以外はパチスロにドップリの人だった。
確率の問題だと分かっているくせにヤメられない、典型的なギャンブル好き。
日曜とかに一緒に行ったりするようになり、お陰で仕事がやりやすくなっていった。
しかも俺の事を妙に好いてくれてたし。
12月に入りそろそろ先輩も復帰するって頃、パチスロ好きな人に忘年会を誘われた。
それはちょっとって断ったが、要はコイツが俺とパチスロの話をしたかっただけ。
仕事なので仕方なしに付き合う事にした。
指定された店に行くと、当たり前のようにほぼ知り合いはゼロw
「こっちこっち!」
スロ好きに呼ばれて隣に座り、ここで菜々子と初対面。
研究所職員の菜々子はいかにもって感じの女だった。
黒ブチのメガネに几帳面そうな口調、絶対俺を見下してるって感じがプンプンした。
スロ好きと喋ってたついでに菜々子へ話を振った時、思いっ切り冷めた目で「はぁ・・・」と溜息交じりの返事をされたしね。
そんなもん知るかよ!っていう気持ちが丸見えだった。
忘年会に参加してた女は全部で4人。
俺とは全く住む世界が違う女どもだったが、唯一愛想良く接してくれた子がいた。
まだ働き始めて3年だというマキという子。
この子の出身校も聞いて驚いたが、アホな俺にも愛想良く接してくれたイイ子w
その場にいると1番普通の子だったから、上司や同僚達からも人気があった。
スロ好きも実は好きなんだろうなっていう態度だったし。
まぁそれは良いとして、スロ好きとマキのお陰で何とか乗り切れた。
次の日も俺は仕事だったから、1次会で退散する事にした。
ペース配分なんて無いらしく、ほぼ全員の男どもは酔ってたのにはウケた。
そんな中マキも帰ると言うと、菜々子もまた帰ると言ってた。
男2人も帰ると言うので、5人で駅まで歩いた。
聞いてみると俺とマキと菜々子が同じ方向。
週末の終電間際の車内は混んでて、ちょっとギューギュー詰めになってた。
それが原因だったんだろうと思う。
マキが降りてすぐに菜々子の顔が真っ青になり始め、今にも倒れそうに見えた。
「大丈夫?」声を掛けたら「大丈夫です」という。
でも明らかに冷や汗ダクダクだし、今にも倒れるか噴射するんじゃないかとヒヤヒヤ。
予想は的中し、突然ガクッとヒザが崩れた瞬間、俺に全体重が乗って来た。
慌てて丁度開いたドアから外に出てベンチに座らせた。
汗だくの顔をハンカチで拭いてあげて、着てたコートを被せてあげた。
近くにあった自販機で暖かいお茶を買い、横にならせて飲ませたりしてあげた。
それでも復活せず、むしろ悪くなっていってる気がした。
そんな時に駅員がやってきたので、2人で駅員室へと運んだ。
簡単にまとめると、急アルだったみたい。
駅員の勧めで救急車を呼び、そのまま病院で朝まで付き添ってました。
スロ好きに電話したけど出ないし、他に連絡できる人がいなかったしね。
でも意識が回復した時に菜々子から「旦那に電話したい」って言われてビビった。
別に狙ってたわけじゃねーけど、人妻だとは誰からも聞いてねーぞ!と。
電話して1時間後、旦那さんがやってきた。
これまたいかにも神経質っぽい男で、真っ白な顔が病的な旦那だった。
でも礼儀正しく何度もお礼され、やっと解放されたのは朝の5時半。
翌週になり研究所へ顔を出すと、菜々子から丁寧なお礼を言われた。
「夫から言われているので」と食事にまで誘われた。
携帯番号とメアドを書いた名刺を手渡し、平日の夜でしたらいつでもと伝えておいた。
菜々子がいなくなってからスロ好きと喋ってて、急アルになった原因を聞いた。
菜々子の旦那は以前まで同じ研究所の職員だったらしい。
かなり優秀な人で、もう一つあるもっと凄い研究所へ移動したんだって。
妬みや嫉妬、同僚だった頃の嫌な態度が原因で、あの日わざと菜々子を酔わせようと画策してたヤツがいたらしい。
徐々に濃い目の酒を作って、上手い具合に飲ませてたんだってさ。
負けず嫌いな性格を刺激しながら飲ませた結果、あんな風になったらしい。
最後の最後で緊張の糸が切れたんだろうなって思う。
マキがいた頃はキリッとした顔してたから。
菜々子からメールが来て、次の週の平日に食事をする約束をした。
なぜかその場にマキまで呼んでて、4人で菜々子宅で食事会らしい。
教えてもらったマンションへ行くと、それはもうご立派なマンションだった。
貧乏サラリーマンの俺には絶対手の届かないホテルみたいなマンション。
軽くワインを飲みながら菜々子の手料理を味わった。
見た目からは想像できないほど、料理の腕前は抜群だった。
マキも「美味しい!美味しい!」と喜んで、ぐいぐい飲みながら食べてたし。
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