4つ年下の同僚が先月結婚式を挙げた。
相手は7つ年下の同僚で、いわゆる社内恋愛。
付き合ってるのは聞いてたので、素直におめでとう!って思ってた。
だけど今は複雑な気持ちで同僚と接してる。
事の発端は結婚式の3ヵ月前。
後輩から「結婚する事になりました」と報告され、じゃ~祝おうか!と同僚たちで祝いの席を設けたんです。
勿論そこには結婚する彼女も出席し、終電が無くなるまで飲みまくりだった。
俺も楽しく呑んでたんだけど、2軒目で驚きの告白をされた。
「ホントは憧れてたんですよ」と。
薄ら禿げ上がった鬼ゾリ頭で、メタボなポッコリお腹の俺w
憧れるとかありえね~って笑えてくる。
「酔って誰かと勘違いしてんのか?w」
「そんな事無いですよ!」
「この俺に憧れるって、ほとんど病気だぞw」
「何ですかそれw彼女いるって言ってたから諦めたんですから」
は?と思いつつ、虚勢をはる為に彼女がいるってウソついてたのを思い出した。
月1回行く風俗が恋人とか絶対言えね~w
物好きもいるもんだなってその時はスルーしたが、週明けから変に意識するようになった。
顔を合わせればニコっと笑顔を向けてくるし、どう対処したら良いのか困った。
彩子はウチの小さい会社の中だが、間違いなく3本の指に入る可愛い子。
旦那になる後輩もイケメンなので、誰が見ても美男美女のカップル。
小柄だけどスタイルも良くて、密かに同僚たちのオナニードールだった。
俺が知ってるだけで2人告って撃沈してるし。
そんな彩子から「憧れてた」なんて言われちゃったら、どうして良いのか分からない。
まぁでも結婚するから結局なにも変わらないか・・・って感じだった。
驚きの告白を聞いてから1ヶ月ぐらいしたある日、後輩に彩子を入れて3人で飲みに行きませんか?と誘われた。
断る理由もないから、まぁどうせ彼女もいない暇な男なので、もちろん行った。
2人は結婚式の話を相談してきて困ったが、社内で誰を呼ぶとかそんな話をしてる。
独身の俺に相談するかね・・・と思いつつも話に付き合ってた。
そろそろ終電も近くなってきたなって頃、後輩がトイレに立った時、彩子が神妙な顔で「アタシ達ってどう思いますか?」と聞いてきた。
理想のカップルに見えるよって答えたが、腑に落ちないような態度だった。
「何で?どうかしたの?」心配になって尋ねた。
「話がドンドン進んじゃって・・・」と少々困惑気味。
あぁ~これがマリッジブルーか!と思った。
後輩が歩いてくるのが見えた時、小声で「今度相談に乗ってくれませんか」と言われた。
当然「イイよ、俺で良ければ遠慮無く言ってよ」と答えておいた。
軽い気持ちでそう答えたつもりだったのに、週明けに社内の廊下で彩子から名刺を渡された。
俺の連絡先なんて知る由も無いから、メールして下さいって話です。
日中の方がイイかと思って、夕方に電話番号を入れたメールを送っておいた。
すると即返信が来た。
その日の夜、彩子からメールが来た。
数日前に言われたように、トントン拍子で進む事への困惑を聞かされた。
一般論しか言えない俺は、友人の話を例に出しながら相談にのった。
平日はちゃんと家に帰っているようで、ほぼ毎晩メールが来る。
週末はさすがに同僚と一緒らしくメールは無かったが、それ以外はメール三昧。
「憧れてた」なんて言われちゃってたから、これはちょっともしかしてヤバいかも・・・なんて思いつつ、期限付きの妄想恋愛みたいなノリで楽しんでた。
メールをするようになって半月ぐらいが経過。
彩子と後輩は数週間後から同棲生活をすると聞いた。
結婚しても仕事は続けるようで、割と広いマンションに決めたという。
楽しそうじゃん!と俺は思っていたが、やはりまだ吹っ切れない自分がいるようだった。
そんな彩子の態度に後輩もイライラし、ついつい喧嘩をする事も。
その後始末は俺がするみたいな事が続いてたある時、いつも以上に彩子が落ち込んでた。
「もうこのまま結婚も白紙に戻したい」とまで言い出す始末です。
2~3日宥めたが元気にならなかった彩子から、飲みに行きませんかと誘われた。
もうその頃は同棲生活が始まってた直後だったので、大丈夫かなって正直思ってた。
変に怪しまれたら俺のせいで婚約破棄とか洒落にならん。
「ナイーブになってた彩子を宥める為」だと自分に言い聞かせながら飲みに行った。
会ってみるとメールとは違ってかなり元気だった。
入社してからすぐ俺に憧れ始め、何気なく情報を集めたら長く付き合ってる彼女がいると聞き、それでも諦め切れずにズルズル引きずってたらしい。
でも別れる気配がまるでないと知り、後輩の誘いに乗って遊びに行って付き合うようになったんだって聞かされた。
「言ってくれたら俺の方からお願いして付き合っちゃうのにw」
「えぇーー!そうなんですかぁ?w」
「そりゃ~そうだよ、こんな可愛い子だったらみんなそうだぞ」
「もっと早く言って下さいよぉーw」
「だってこんなハゲオヤジがイイなんて子普通いないからなw」
「可愛いじゃないですかw」
「可愛いわけないだろww毎晩愛しの毛髪とさよならする寂しさ分かるか?w」
「何ですかそれww」
驚いた事に彩子は普通に俺の頭を触ろうとする。
ハゲ頭を触らせるなんて有り得ない事は、ハゲ仲間だったら理解できるはず。
抜けるとかっていう理由よりも、コンプレックスを直で触られる気分・・・困ります。
「ヤメなさい!」と笑いながら逃げると、妙に嬉しそうな顔で「触らせて下さいよぉ~w」とノリノリで触ろうとする。
こんな子だったのかとその時知った。
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