これから紹介する体験談は、以前私が管理していた掲示板へ投稿された物です。
何回にも分けて投稿して頂いた為、私が抜粋して繋げました。
その為少し文章にブレがあるかと思います。
ご了承下さい。
もう10年近くなる前の話。
初めて都内で一人暮らしを始めたのが、当時住んでいた2階建てのアパートだった。
事前に不動産屋から聞いた話だと、俺以外は全部女の子が住んでいるとか。
なんせ裏路地の住宅街にあるアパートで、俺の部屋はモロに道路沿い。
窓を全開にしてたら、通行人に丸見えっていう部屋だったから。
防犯も兼ねて、そこには代々男が住んでいるって話。
住み初めてしばらくは、男の俺でも結構ヤバかった。
だって暑いから窓開けてると、歩いている人と目が合うんだし。
夜は完全に雨戸生活かよ!って萎えた。
慣れてきたらそこまで神経質にはならなかったけどね。
住み初めて3ヶ月ぐらいだったと思う。
大学の友達が、ある物を持って遊びに来たんだ。
俺にはよく分からないんだけど、アナログ電話とか盗聴電波を受信できる受信機。
学校でその凄さを聞いてたから、その日の夜を楽しみにしてたんだよね。
近所にテレフォンセックスしてるヤツいたらイイな~って。
当然だけどそんな面白いやつは近所にいなくてね。
仕方ないから飲みながら盗聴電波を探し始めたんだ。
何個もの受信電波エリアがあって、それをオートで探してる。
あるわけないよな~って話してた瞬間、凄いデカい音の雑音が入ってきたんだよね。
ギュイーーッ!って感じの。
もうビックリしちゃってさ。
「なんだよ!この音は。マジでウルセーよ!」
「いや~ビックリした、ビックリした」
そんな事を言いながら、なぜか友達がソワソワし出した。
そして立ち上がって、なぜか手で「キッチンの方に来い」ってジェスチャー。
「ん?なになに?」
って言ったら、口元に人差し指をあてて「シーっ!」ってやるわけ。
こいつ何なんだ?って思いながら、隣の部屋に移動。
そしたらいきなり俺の耳元に寄ってきて
「この部屋に盗聴器あるぞ?」
っていうからビックリ。
そこからお互い小声で。
「あの音が?」
「そう。あれって近くに盗聴器がある時に鳴るんだよ」
「マジかよ、ってどこにあるんだ?」
「分からないけど、この部屋に間違いないと思うよ」
「どうしようか・・」
「とりあえず外に行かね?」
友達の言う事を聞いて、とりあえず外に出た。
出たら友達はキョロキョロしてて、何かを探している感じ。
「どうした?」
「あぁ~車とかあるかなって思ってさ」
誰かが盗聴器を仕掛けて聞いてるかも?って思ったらしい。
でもアパート付近に車は無いし、大通に出ても路駐してる車もない。
コンビニに歩きながら話した結果、3パターンを友達が説明してきた。
・音声が入る度に録音しだす機械を近くに置いてある
・時々近くに車で来て楽しんでいる
・近所に住んでいる
「引っ越してきた時、コンセントとか何か初めからあった物ってある?」
「何もなかったよ。タコ足コンセントも無くて自分で買ったし」
「じゃ~もしかしたらコンセント入れるとこの中にあるのかも」
「どうやったら取れる?」
「外せば簡単に取れるよ」
「お前できるの?」
「多分見ればね、電源を考えるとそれが一番可能性があるんだよな」
「どうしようか?」
それからちょっとした作戦を練ってアパートに戻った。
静かに入っていって、まず目星を付けたコンセントの白いやつを外してみた。
さっき受信機を使っていた時に、スグ近くにあった所。
ゴソゴソと友達がいじっていると
「あったよ!これこれ!」
小声で興奮しながら言ってきた。
見てみると、なんか黒い棒状の物がぶら下がっていた。
友達はそれをなにやらいじって外していた。
「多分もう大丈夫だよ。さっきの受信機使ってみようか」
さっきと同じように電波を探してみると、あのデカい音は鳴らなかった。
でも一か所だけちょっと音が鳴る周波数があった。
「これってまだ残ってるんじゃない?」
「いや、違うと思う。もしかしたら隣とかにもあるのかも」
隣の人はまだ帰宅してなかったから、確かめる事もできないまま。
それでもウチに盗聴器がなくなっただけ、ちょっと安心した。
しばらく友達と盗聴器の話をしていると、隣の人が部屋に入る音がした。
「さっきの盗聴器、隣のか確認しようよ」
ちょっとプァーッという音が鳴っていたが、しばらく聞いていた。
するとテレビの音がいきなり聞こえてきた。
俺は壁に耳をつけて、隣の音を聞いた。
するとやっぱり同じ音が聞こえてくる。
「やっぱり隣だよ!音同じだし」
それからしばらくの間となりの音を聞いていたが、テレビの音しか聞こえない。
「もしかして上の階もあるんじゃない?」
「あるかもな。調べてみようか」
一か所は隣と分かったので、他の周波数も調べてみた。
そしたらやっぱり二か所反応があった。
「上も2つの部屋だし、それっぽくね?」
「だよな。多分上の2つだよ」
2つもテレビの音が聞こえていた。
3か所の音を交互に聞いたが、その日は何も楽しい音は聞けなかった。
つづく
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