リナさんとの出会いはかれこれ3年ほど前。
会社の先輩に「女も来るから来いよ」と誘われたスノボ。
男は俺達と先輩の友達。
女はその人の彼女（リナ）とその友達。
初めて他人の彼女を見て嫉妬した。
実際その先輩の友達は、悔しいぐらいのイケメン。
だから当たり前といえば当たり前で、彼女のリナさんはマジで超美人だった。
出会った当時のリナさんは26歳。
ちなみに俺は24歳。
お父さんがノルウェー人でお母さんが日本人のハーフ。
髪は黒いけど真っ白な肌で鼻筋も通ってて目もパッチリ系。
どちらかといえば猫系の顔で、絵に描いたような整った顔立ち。
そんな最高レベルの見た目なのに学歴も凄い。
都内にある某外語大学卒で英語専攻。
ノルウェー語と英語を幼い頃から喋ってたら当たり前だって本人は言ってた。
卒業後は欧米の某国になる企業に就職し2年間海外勤務。
3年目に日本支社が出来て戻ってきたらしい。
詳しくは書けないけど、俺とは別世界の人間って事。
初めは緊張して喋れなかった。
ミニバンで行ったから面と向かう事が無かったし。
リナさんもあんまり俺に喋り掛けてこないし、あぁ～やっぱそんなもんだよなってちょっと悲しい気持ちになった気がする。
だけどそれは俺の勘違いだと後に知った。
まず基本的にリナさんは人見知り。
相手が外国人だと気にならないらしいが、日本人の男が相手だとなぜかそうなる。
次に彼氏が他の男と喋ってると良い顔をしない。
手に取るように不機嫌さが伝わってくるって言ってた。
山では当然リナさんは彼氏と一緒。
先輩は女二人のうちマシな方をチョイス。
必然的に俺は残った人の相手をしてたが、これがまた超厳しかった。
確実に俺より体重があるおポッチャリさんで、バセドウ病みたいに目がちょい飛び出てて、微妙に山村紅葉に似てたｗ
帰りは俺と先輩が交互に運転して帰った。
セカンドシートにリナさんカップルが座ってて、サードシートに女二人。
リナさん以外は全員爆睡してて、それを気にしてかリナさんはずっと俺達に寝ないで喋り掛けてきてた。
渋滞が酷かったから途中のサービスエリアに寄り、こので初めてリナさんと面と向かって普通にお喋りした。
俺以上に先輩がずっと喋りっぱなしだったのはウザかったな。
その後も同じメンツで2回ほどスノボへ行った。
打ち解け始めてきたリナさんは、美人なくせにボケとか積極的に入れてくる。
初めはどうツッコんだら良いのか迷ったぐらい驚いた。
この顔にこの性格は超反則だろって溜息が出るほど可愛かった。
7月の中旬、偶然リナさんと再会する。
仕事帰りに電車乗ってたら、一つ前の電車で機械トラブル発生。
いつ動くか分からないとのアナウンスだったので、電車を降りて駅前のマックへ。
行き場のない人たちで溢れてる店内を、コーヒー持ってウロウロ空席を探してた。
そこで2人がけのテーブルにリナさんを発見して心臓が跳ね上がった。
「ご一緒しても良いっすか」
声を掛けると明らかに不機嫌そうな顔を向けられた。
でも瞬時に俺だと気が付いたようで、「あぁぁーっ！久し振り！」って言われた。
リナさんも同じ電車に乗ってたらしい。
しばらくスノボの時の話で盛り上がってたが、やたらとリナさんのスマホが鳴る。
10分に1通メールが届く感じで、「まただ･･･」とリナさんは不貞腐れてた。
相手はあのイケメン彼氏。
「今日一緒にご飯食べに行く約束してたの」
「あぁ～じゃ彼氏さん迎えに来るんだ？」
「来ないって！もう家でお酒飲んでるって」
「ありゃ、チャリでも良いから来てくれたら嬉しいのにねぇ」
「ほんっと！冷たいわよね」
聞けば彼氏はマジで優しさが足りない。
こんな美人な彼女だったら、世の男どもは逃すまいと頑張るだろうに。
デートを「二日酔いで行けない」とかしょっちゅうドタキャンしたり、面倒クサイからと言って出掛けずに家デートばっかり選ぶらしい。
付き合って1年ぐらいは頑張ってくれてたのに、今はもう手抜きもイイとこ。
そんな愚痴を2時間ほど聞かされてたが、俺は喋れるだけで幸せだった。
その後やっと電車が動き出したので帰宅したが、ホームで「また愚痴聞いて」と言われてリナさんの方からメアドを聞いてきた。
多い時は日に10通以上。
でも音沙汰が無い時は1ヶ月とかメール無し。
そんなメールだけの関係が1年半ちょっと。
1回も会ってないけどそれだけメールしてると、不思議な関係になってくる。
彼氏には言えない悩みとかも俺は聞いてたし、元カレの話も聞いてて知ってた。
彼氏の１つ前に付き合ってたのは外国人で、それは絶対に秘密にしてるらしい。
妙に彼氏は外国人を目の敵にしてて、もし教えたら何を言い出すか分からないって。
その外国人はイケメンじゃないらしい。
どことなく俺に雰囲気が似てるとか言ってた。
顔はもっとイケメンだったらしいがｗ
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