高2の年末に引っ越しをしました。
通学の電車も変わってしまって、毎朝酷い満員電車に乗るハメになりました。
地獄が始まったのは3学期が始まった日です。
電車に乗ろうとしても、駅員が押し込んでくれないと乗れないんですから。
しかも乗ってから次の駅でまた人が押し込まれるんです。
池袋までの数十分でしたが、本当に毎日が地獄でした。
1月の半ばのある日、いつもと同じように僕は押し込まれました。
イヤだなぁーと思いながら、次の駅でまた数人が押し込まれてきました。
ちょうど僕はドアに向かって後ろをむいた状態で立っていました。
最後の人が押し込まれてしばらくすると、何やら後ろの太ももに手が当たっているのに気が付きました。
偶然当たっているもんだと思っていたのですが、どうやら違うんです。
手の平が太ももにピタッと張り付いているんです。
変だなと思いましたが、見動きが取れません。
後ろを振り返るにも全く動けないんです。
しばらく我慢していると、その手は今度はケツに移動してきました。
学ランのケツをゆっくり撫でまわしてくるんです。
これは何かの間違いかと思いました。
痴漢が女と間違えて俺のケツを触っちゃってるんじゃないかと。
身をよじってなんとかヤメろと態度で示しました。
それでもずっとケツを撫でまわしてくるんです。
僕は気持が悪くなり、動ける方向に少しだけ動きました。
ちょうど横向きになる姿勢になると、ケツからの手が離れていきました。
やっと男だって気が付いたかと安心しました。
どんな奴が痴漢なんてしてるのか興味がわきました。
僕の後ろ辺りにいるのは分かっていたので、どうにか降りる瞬間に確認しようと思いました。
池袋で一気に人が吐き出される瞬間が勝負です。
強引に体をひねって、僕は後ろにいる人を確認しました。
そこにはOLっぽい女性とオヤジと、大学生風の男がいました。
この大学生っぽいのかオヤジが痴漢なんだなって思いました。
そんな痴漢の事も忘れて、次の日も同じ電車に乗りました。
次の駅で人が押し込まれて、また動けない状態なった時、またケツに手が当たってきたんです。
今度は太ももとかじゃなくて、初めっからケツを撫で回し始めました。
またかよ!と身をよじりましたが、全く手の動きが止まりません。
終いにはケツの割れ目を指で上下にさすってきました。
身をよじっても動きが止まらず、とうとうケツの穴辺りを指先でクルクルと弄り始めました。
さすがにこれには我慢できず、強引にバッグを後ろにまわしてガードしました。
隣にいたオヤジはあからさまに不機嫌な顔をして見てきましたが、そんなの関係ありません。
後ろ手にバッグを持って、池袋までの十数分をしのぎました。
今日こそ痴漢野郎を確認してやろうと、池袋では必死に体をひねって後ろを見ました。
でもそこにいたのは、昨日とは違うオヤジや若い男しかいません。
唯一同じだったのは、OLっぽい女の人だけでした。
必死に昨日と同じヤツがいないか確認しました。
でもやっぱり見当たりません。
何ともいえない気分で学校に行きました。
つづく
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