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初めての不倫体験⑨

次の日、通常通り出勤した。
心配はしていたが、恭子はちゃんと出勤していた。
私を見た瞬間、恭子は走り寄って来て言った。

『昨晩は本当にお世話になりました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません』

『いやいや、大丈夫ですよ。いつもの接待と同じですから』

笑いながら言った。

『渋滞しているタクシーに乗っていたのは覚えているんですが...』

ちょうど眠りについた頃から覚えてないらしい。
大丈夫、大丈夫、と私は慰めた。
そして他の男子社員がゾロゾロと出勤してきたので、恭子との会話をストップさせた。
昨晩タクシーに乗っていた女子社員が出勤するなり、上司と私にお礼を言いにきた。
あんなに毒を吐いてたとは思えない天使の笑顔だ。

営業の為に外出して戻ってきたのは17時過ぎ。
コーヒーを入れていると、恭子がやってきた。
そして目の前の棚に小さく折り畳まれた紙を置いて、棚のファイルを取って行った。
チラリと恭子を見ると、『うん』と頷く。
私にか...
私はコーヒーを持ちながら、その紙切れを握りしめた。

席につきその紙切れを見る。

昨日はご迷惑をお掛けしました。
今度お時間がある時にお礼させて下さい。
行ってみたいイタリアンの店があるのですが、1人じゃ行き辛いので...
メールで都合の良い日を教えて下さいね。

kyo08ko********@docomo.com

私はまた外回りに出かけ、そのまま帰宅した。
帰りの電車の中で、恭子にメールを入れた。

お疲れ様です。
明後日なら外回りでそのまま直帰です。
だいたい18時には終わるので、どうでしょうか。

スグに返事がきた。

お疲れ様でした。
では明後日にしましょう!
どこで待ち合わせしましょうか。
行きたいお店は青山にあります。

営業の仕事が四谷だった。
私は表参道で待ち合わせても良いだろう。

それでは表参道に向かいます。
仕事が終わり次第メールしますね。

分かりました。
楽しみに待ってますね♪

つづく。

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