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初めての不倫体験③

3時間が経過するぐらいになり、とりあえず飲み会はお開きとなった。
まだ時間は22時。
社長が言った。

『これから2次会に行くが、誰が行くかね?』

男子社員はみな黙った。
誰も行きたくないのだ。
私だって同じ。どうせ行っても接待なのだから。
4人の女子社員のうち、3人が行く事になった。
帰りのタクシー代は会社持ちにすると社長が言ったからだ。

『おい、中島!お前も行くだろ?』

直属の上司が言った。
最悪のパターン。
女子社員に囲まれて好い気になった上司。
あまり飲めないくせに、これじゃ今夜は泥酔間違いなしだ。

『はい、付き合います』

言うしかなかった。
これがサラリーマンなんだ。
自分の意思なんて関係ない。
上が来いと言えば行くしかない。
見渡すと、周りは同情の眼差しを送っている。
みんな分かっているんだ。

結局女子社員3人と、私を含めた7人で2次会へ。
社長の行きつけのスナック。
何度もここには来た事がある。
ママは40そこそこの綺麗な女性。
20代の女の子もいるが、基本的に年齢層の高めのスナック。

用意してもらった一番奥のスペース。
そこで2次会が始まった。
もうこうなると私の取る手段はただひとつ。
社長や上司達を酔わせて、早めにタクシーに乗せる事。
乗せてしまえばあとは関係ない。
各家庭で、奥さんが迷惑そうに待っているだけだ。

社長がいるせいで、上等なお酒が飲める。
調子にのった社長は、ママに言ってプレミアがついている焼酎を出させた。
女子社員もみな飲んだ事のない焼酎。
たいして味の分からない私は、ごく普通の鹿児島産の芋焼酎を飲んでいた。

社長や上司がカラオケを歌い、女子社員が盛り上げる。
もう完全に接待だと、みなが分かっている。
いつか上司が言っていた。

『うちの派遣社員は、全員イイとこのお嬢さんだよ』

恐らく厳格な父親に育てられたのだろう。
ワガママなオヤジの扱い方が上手だ。
お店の女の子には用がない。

つづく。

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