次の日も俺はパチンコ屋の前で並んでいた。
ポンポンと肩を叩かれ振り向くと、そこにはキャップ無しの彼女がいた。
「おはっ♪」
「おう・・キャップは?」
「もうイイかなって、1人じゃないみたいだし(笑)」
俺といるから恥ずかしくないってか。
なんだか不思議な気分だった。
昨夜あんなに激しく淫乱だった彼女が、今は可愛らしい女の子。
しかも昨夜の事には触れてこない。
「今日の狙い目は?」
「オレは○○○○○○の右から3番目と、○○○の右から2番目かな」
「えぇ~なんで?」
「それは教えない(笑)どっちか打つ?」
「ううん・・アタシは○○○○○○○の入口から4番目が気になってるんだけど・・・」
そんな他愛もない会話をして時間をつぶした。
結果、その日、俺は4万の勝ち。彼女は2万の勝ち。
打ってる時もコーヒーあげたり、昼飯食いに行ったりした。
傍から見たら、恋人同士ぽかったと思う。
まぁ~肉体関係はあるんだが。
次の日もその次の日も、同じように過ごした。
彼女は朝から夕方過ぎまで打って、その後は出勤していた。
週3回の出勤らしい。
「生活に困ってるの?」
「うぅ~ん・・そうでもないけど、なんとなくかな・・」
なんとなく風俗で働くんかい!
そう突っ込もうと思ったが、結局言えず。
ある日の朝、彼女は来なかった。
仕事じゃないし・・・と思い1人で打っていたが、気になってメールしてみた。
「もう昼過ぎだけど今日は打たないのかい?」
しばらくして返事が返ってきた。
「朝起きたら熱があって寝てるぅ~」
オレは外に出て電話をした。
「大丈夫か?薬飲んだ?」
「うぅ~ん・・・薬ないから・・・寝てるだけだよ」
「何も食べてないの?つか家族は?」
「アタシ1人暮らしだし。食欲もない~・・・」
「つか熱何度あるの?」
「さっきは38度ちょっと」
「ダメじゃん!薬持って行ってやるから待ってろ!」
「イイ~ってば・・今日も出てるんでしょ?」
「そうでもないから大丈夫。ちょっと待ってて、薬買ったらまた電話するから」
買って持って行ってやるとか言ったが、家の住所すら知らない。
オレは急いでスロットを止めて、近所のドラッグストアーへ行った。
そして解熱歳や栄養ドリンク、スポーツドリンク、レトルトのお粥などを買った。
「これから向かうから、住所をメールしてくれ」
送られてきた住所は、池袋から数駅の地域だった。
オレはタクシーに乗って、その場所へと向かった。
言われた通りのマンションを見つけた。
大きなマンションで、エントランスも広い。もちろんオートロック。
言われた部屋のインターフォンを鳴らすと、彼女が出てロックが開いた。
高級マンションじゃん・・・
部屋は16階の奥だった。
つづく
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