カヨと付き合いだして四ヶ月が過ぎた。
会えば最後はカヨの部屋に行き、リビングや隣に同居人がいる状態でセックスをヤリまくった。
聞こえちゃうから・・・といつも声を押し殺すカヨ。
どうせバレバレなのに。
帰る時はいつも同居人は涼しい顔をしていた。
どうぞご勝手に・・・そんな感じ。
申し訳ない気持ちはあったが仕方がない。
だから俺はいつもお土産を持参していた。
出張で出掛けたら、同居人にもお土産を買った。
何も無い時は、ワインや焼酎の差し入れを。
忘れもしない1月17日。
仕事で先輩と青山にいた。
ちょっと暖かい春のような日。
表参道を歩きながら、ふと向かいの歩道を見た。
あれ?カヨじゃん?
カヨが男と笑いながら歩いている。
雰囲気が怪しいと感じた俺は、カヨに電話をした。
3コール目・・・4コール目・・・
視線でカヨを追っている俺。
するとカヨは電話に気付き、携帯をバッグから出した。
しかし携帯を見て、そのままバッグに戻したんだ。
これって完全に俺って分かった上でシカト?
もしかしたら仕事中かもしれないし・・・
出れない状態だったのかもしれないし・・・
モヤモヤした気分で会社に戻った。
その日の夜、カヨから電話があった。
「ゴメンねぇ~電話に気が付かなかったぁ~」
ウソじゃん。
携帯を手に取って、着信を確認してたじゃん。
「あ~そうなんだ。仕事中だった?」
「うぅ~んん、友達と買い物行ってたんだぁ~」
「どこ行ってたの?」
「池袋にいたよぉ~、結局何も買わなかったけど」
完全にウソを言っている。
青山にいたじゃん。あれは見間違えか?
「そっかぁ~今日は暖かかったな。コート着て行ったの?」
「今日は白いワンピに、ジージャン着てただけだったよ」
って青山で見た時の洋服そのまんまじゃん!
俺にウソをついてまで・・・
やっぱり不安は的中したんだ。浮気してるんだ。
もしかしたら、二股かけられているのかも。
いや・・・新しい好きな人ができて、乗り換える準備なのかも・・・
最悪な気分だった。
大好きだった彼女の浮気。
裏切られたショックで、ただただ呆然としていた。
いつ電話を切ったのかすら記憶になかった。
その日俺は眠れなかった。
一睡もできぬまま朝になった。
朝になっても気分は最悪のまま。
夜になり、ご飯食べてたから帰るという彼女。
どうにも信じる事ができない。
また浮気してるんだろ・・・
そんな日が何日も続いた。
裏切られたと知っても、俺はまだ彼女が好きだった。
それでも彼女を許せるような男でもない。
ただひたすら、悶々とした日々が続いた。
彼女の浮気を知ってから2週間ちょっと。
俺は我慢できなくなって、何も言わずに彼女宅を訪れた。
部屋の電気はついている。
インターホンを鳴らした。
対応したのは同居人だった。
扉を開けた彼女は驚いていた。
「あれ??カヨは?一緒でしょ?」
「えっ・・・やっぱり・・・そっかぁ・・・」
気分は最悪だ。
エレベーターに向かおうとした時同居人が言った。
「とりあえず部屋でお茶でも飲んでよ、ねっ?」
リビングで同居人と気まずい空気。
「カヨは今日どこ行くって?」
「あ・・・どこだったかな・・友達とご飯食べるとか・・・」
「もうイイよ。全部知ってるから。」
「全部って??」
「他に男がいるんだと思う。今日だってその男といるんだろうし」
「う~ん・・・そっかぁ・・・」
また沈黙。
しばらく経って同居人が言った。
「たぶん今日は帰ってこないと思う。泊まるとか言ってたし」
「そうか・・俺にはちゃんと帰るから、帰ったら電話するって言ってたけど」
もうお互いに何も言えなかった。
ただただ沈黙が続く。
もうここにいても意味無いか。
間違いだったって思いたかったけど、どうしようもないな。
「じゃ俺帰るね。部屋に上がり込んで悪かったね」
「ううん。そんなのイイよ。それより大丈夫?」
「もう2週間も悩んでるから大丈夫。今までありがとね」
そう言って俺は玄関に向かった。
「ねぇ?これから飲もうよ!ねっ?呑もう呑もう!」
そういって同居人は俺の手を掴んで、リビングに引っ張っていった。
このまま帰ってもな・・・
どうせ眠れそうもないし・・・
呑んで呑みまくるか!
コメント