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キモヲタで素人童貞の思い出@2P

当時の俺は25歳、普通に大学を出て普通に就職して、何も無い毎日を過ごしてた。
小学校の頃から『キモい!』と面と向かって罵られていた俺は、25歳になっても彼女なんていた経験すら無く、風俗嬢としか経験が無かった。
特にアニメが好きってわけでもないのに、高校時代からキモヲタって呼ばれてたっけ。
秋葉が好きとか全然なくて、ただ根暗でセンス無しのキモい男なだけ。
昔から言われてるから自覚もしてたし、女関係は完全に諦めてた。

あの時、法事があって久し振りに地元へ帰省してたんだっけ。
中途半端な田舎なので、変わり映えしないなぁ~と実家へ歩いてた。
途中で趣味の悪いセルシオが通り過ぎ、数メートル先で急停車。
ちょっと嫌な感じもしたが、周りには他にも人が歩いてる状況。
いきなりカラまれる事も無いだろうと思いつつ、目線は足元をじっと見つめてた。

セルシオまで1mほどに来た時、突然助手席のドアが勢い良く開いた。
思わず目線をあげた先には、大袈裟に手を広げた同級生が映った。
「おぉー!久し振りじゃーん!」
名前はリュウジ。
典型的なヤンキーで、確か高校も中退したはず。
そんなヤンキーとは特に仲良くしなわけもなく、なぜ声をかけてきたのか分からなかった。

「おぉぅ、久し振り」
戸惑う俺をシカトして、欧米人バリのハグをカマしてきやがった。
仕方なく俺もリュウジを抱き締め、背中をポンポン叩く。
「お前今こっちにいねーんだろ?」
隠す必要もないから、簡単に近況報告をしてみた。
「すげーな!やっぱ大卒はすげーよ!」
肩を組んできてやたらと馴れ馴れしい。

リュウジは見た目通り予想を裏切らない。
「飲み屋やらしてもらってんだ」
自慢気に言うから「凄いね」と答えておいた。
「いつまでいんの?いる時に呑みに行こうぜ」
「今度の日曜までいる予定だけど」
慌しく無理やりというか強引に連絡先を交換させられた。

その日の夜、リュージからメールがきた。
「これから呑みに行こうぜ!」
「いやいや、明日法事だから無理だよ」
「平気だよ、朝までには帰るからさ」
「でも。。」
「もうメンツ集めちゃったからな!2時に駅前な!」

メンツって何だよ、と思いながら、一応シャワーを浴びて駅前へ。
もう既にセルシオが停車してて、近付いたらリュージが「乗れ!乗れ!」と合図。
「どこ行くの?」
「知り合いの店だよ」
「俺そんなにお金持って無いよ?」
「安いから大丈夫だよ、んなの心配すんなって」

連れて行かれたのは、こじんまりとした居酒屋。
チェーン店ではなく個人経営の小さな店で、既にのれんも出て無い。
「お待たせぇ~~~」とリュージが入って行くと、中から男女の騒ぐ声が聞こえた。
その瞬間体が硬直する。
メンツって女もいるのかよって。

「コイツ俺の同級生ね~」と軽く紹介された。
もう全然ダメ。
俺とは全くの別世界な奴らしかいない。
男はリュージの友達らしく、全員がヤンキー系で怖すぎる。
女はヤンキーっていうよりキャバ嬢みたいな見た目。
そんな奴らが「いぇーーいっ!!」と寒過ぎる。
駆けつけ1杯と言われ、差し出されたのはビールでは無く焼酎ロック。

キモヲタで素人童貞の情けな過ぎる俺だが、唯一負けない事がある。
それは酒豪。
オヤジもそうなんだけど、日本酒とか焼酎を1升飲んでも特に酔わない。
というか今まで酔っ払った記憶も無い。
合コンとか行った事すら無いって話は置いとくが、酒の強さだけには自信があった。

男達はフリーターやら夜の住人ばかり。
女は4人いてキャバ嬢が2人に無職が2人。
普通に定職に就いているのは俺だけという、かなり低レベルな席だった。
途中から店のオヤジまで加わり、奥の座敷でドンチャン騒ぎ。

しばらくすると全員酔いもまわり始め、初対面の俺をイジリ出した。
「超キモ系」とかキャバ嬢が言ってゲラゲラ笑われ、「絶対童貞だろ!」とまで言われた。
それでも昔からのクセでニコニコしてる自分に腹が立った。
でもそんな俺をなぜかリュウジだけはカバってくれる。
なんか知らなかったけど、リュウジって凄いイイヤツなんだなって初めて知った。

酔って無い俺を見て、男達が飲ませようとし出した。
「一気勝負しなよ!」と女どもにはやし立てられ、俺はゲームに無理やり参加。
ちょっとヤリ返したい気持ちもあったから、俺はあえて「焼酎一気」を申し出る。
苦笑いするヤンキーと勝負が始まり、ジョッキ3杯で撃沈してやった。
「情けねーぞ!」と女どもが騒ぎ、「今度勝ったヤツはオッパイ揉ましてやる!」という。
そこで2人の男がエントリーし、俺を含めて3人でゲーム開始。

まぁ頑張ってたけど、ジョッキ4杯か5杯で2人は撃沈。
勝ったのになぜかオッパイは揉ませてもらえず。
店のオヤジに「お前は強いな」と褒められただけ。
気が付けば撃沈した3人のうち、2人は隅っこで泥酔中で、1人はトイレで籠り中。
「大丈夫なの?」とリュウジに聞いてみると「いつもの事だから気にすんな」と言われた。
「でもお楽しみはこれからだぜ」
「何が?」
「ちょっと来いよ」
リュウジに言われて俺は外に出た。

「お前誰か気に入った女いたか?」
「えっ?いや、べつに」
「さっきから生意気言ってるエリコは?」
「えっ?うん、まぁ、うん」
「よし、決まりだな」

リュウジは戻ってから、エリコを集中狙いして飲ませまくってた。
俺が強いのを利用して、さらに飲ませまくる。
5時頃になると女どもは全員酔いまくりで、誰一人として1人じゃ立ち上がれない。
リュウジは俺に向かってニヤニヤし、アゴで持ってけ!としゃくってきた。
素人童貞の俺にそんな勇気があるわけもない。
ムリムリ!と拒否していると、眉間にシワを寄せて怒り顔に。

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