女子アナになった女①

大学生の時、友達に頼まれて家庭教師をやってた。
そいつの家は結構なリッチ家族だから、バイト代はそれはもう最高。
中3の妹のデキが悪すぎて俺に声が掛ったらしい。
俺はそこのオジサンもオバサンも知ってたからね。

その妹ってのはデキは悪いけど、見た目はすげ~可愛いんです。
夢は女子アナとか言ってたし、周りも行けるんじゃね~かって言うぐらいでした。
数学と英語がかなりヤバく、教えるのに苦労しました。
でも一応第一志望の高校に入学できて俺も面目がたちました。

この子・・・ミサ(仮名)・・・が高2夏に、また家庭教師の依頼があった。
油断してまた勉強しなかったら、赤点取り始めたって両親が焦ってたんです。
いけるとこまで、できれば大学受験までやってくれって話になって、結局やる事になった。
高校生になったミサはヤバいほど可愛くて、俺も会えるのが楽しかった。

高3の7月に、ちょうど試験勉強を教えてた時の事。
休憩中にミサが俺に質問してきた。

「マー君は彼女いないの?」

「いないねぇ~。別れてもう1年以上経つかな」

「モテないんだぁ~可愛そうだねぇ~~」

「うるせぇ~なぁ~。ってもしかして彼氏できたのか?」

「できるわけないでしょ!こんな毎日勉強されられてて」

「彼氏できたとか言ったら、オジサンに報告しなきゃだしな」

「それはヤメて・・・マジで勘弁してよぉ~」

「そういえばミサって彼氏いた事あったっけ?俺の知る限りじゃいないと思うけど」

「まだアタシに釣り合う男がないのっ!早く女子アナになって遊びたいなぁ~野球選手とかとさ!」

「お前の低俗な心掛けじゃ女子アナは無理だな。大学もヤバいかもな…」

先生と生徒って感じじゃなくて、もっとフレンドリーな関係だった。
その日改めて考えてみたら、ミサは処女だって白状したようなもんだった。
ちょこちょこと探りを入れてみたが、どうも本当に処女らしい。
処女のせいか俺の元カノの事とかをやたら知りたがってた。

夏休みも終わりそうな8月の下旬、俺はミサ家族に招待で長野の別荘に行った。
金持ち家族らしいその別荘で、それはもう俺には別世界だった。
二泊三日でバーベキューや釣り、買い物などを楽しんで、vipな一時。

夜になりちょっとした買出しに俺と友達とミサの三人で出掛ける事になった。
酒を飲んでたから三人で歩いてコンビニを目指した。
これがまた怖い道のりで、霧と森のコントラストがそれはもう震えるほど。
俺はわざと怖い話をしてやった。
もうちょっとでコンビニってとこまできて、友達がトイレに行きたいと言い出し走ってコンビニに向かっていった。
残されたミサは俺の横を黙って歩いてた。

怖がってるのが分かってたから、俺はわざといきなりダッシュをしてみた。
「キャッ!」という短い悲鳴をあげ、ミサは俺を追い掛けてダッシュしてきた。
これには俺は大爆笑で、よく見てみるとミサは普通に涙目になってた。

「ウソだよ。泣くなって」

「だって・・・だって・・・」

いつもの強気なミサはどこへやら、そこには可愛いだけのミサがいた。
この時からだと思うけど、俺はミサに惚れ始めてたんだと思う。
女としてこんなに可愛いって今まで思ってなかったから。

夏休みが終わりいつもの生活が始まって、俺はまたミサの家庭教師に戻った。
週2回の約束が、成績が芳しくないせいで週3回に増えてたし。
ミサは別荘で脅かした事を根に持ってるらしく、事あるごとに俺へ文句を言ってきてた。
文句というか俺を困らせる事を言ってたって感じ。
それがまた可愛いから全然許せたんだけども。

ミサはそのまま頑張り続け、やっと志望大学に現役で合格した。
俺から言わせれば滑り止めにもならない大学だったけど、両親は物凄い喜んでくれた。
ちゃんとボーナスも貰えたし。
そのボーナスでご飯を奢れってミサが言ってたから、焼き肉に連れて行ってやった。
兄貴も連れて行くか?って言ったらイヤっていうから、なぜか二人で焼き肉に行った。

当然俺はビールを飲みながら食べてて、ミサはウーロン茶を啜ってた。
メシも終盤になり掛けてきた頃、ミサがいきなり変な事を言ってきた。

「ねぇ・・・マー君て今まで何人と付き合ってきたの?」

「俺はモテるからなぁ・・・30人ぐらいかな」

「もぉ~!真面目に答えてよ!そんなわけないでしょ!!」

「うるせぇ~なぁ~。4人だよ」

「そっかぁ~・・・・」

「なんだよ?言いたい事があるなら言ってみな?先生が答えてやるから」

「う~・・・・ん・・・・・イイや。何でもない」

「なんじゃそりゃ。早く言ってみろって」

言い出すまで時間がかかったけど、話した内容に俺はビックリした。

「アタシさぁ~まだなんだよ?これってヤバいよね?もう大学に行くのに」

「ヤバくはないだろうけどさ。チューもないのか?」

「う・・・・ん・・・・チュッていうのはあるけど・・・・」

「舌絡ませるのは無いのか。子供だな」

「もぉ~~~~イイ!」

「ウソ!ウッソッ!真面目に聞くよ」

「大学生にもなってまだってさぁ~・・・・どうしよぅ・・・」

「別に気にする事でも無いと思うぞ。何なら俺が教えてやろうか?先生だから」

「ったく・・・真面目に聞いてよ!」

「聞いてるよ。変な男に走るより俺の方がマシだろ~って話だよ」

「そりゃ~そ~だけどさぁ~。マー君ってのも微妙なんだもん」

「お前・・・引っ叩くぞ!感謝しろよ。まったく・・・」

そのまま話は平行線で、俺達は焼肉屋を出て駅まで歩いた。
別に本気で言ってたわけじゃないけど、何となく変な空気になりながら。
そうしたらいきなり隣で歩いてたミサは、俺の右手を握ってきた。

「おぃ・・どうした?」

「手繋いで歩いた事無いからやってみたかったの!」

「そっか。でもこうやるんだよ」

俺は指を絡ませるようにして手を繋ぎ直した。
無言で手を繋いで歩いていると、ミサが言ってきた。

「今日は焼肉食べたから、違う日だったら良いよ」

続く


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