辻ちゃん似の女子高生③
保健の先生に写メを撮ってもらい、俺は担任と彼女と3人で教室へ向かった。
教室にはさっき歩いている時に見たグループの顔があった。
俺の登場で教室内は一気に空気が変わったみたい。
先生がまず説明をして、それから俺が話をした。
「彼女にイジメをしている人の名前も全て聞いています」
「誰が背中を殴ったのか、誰が腕にホウキで殴りつけてきたのか、誰がワイシャツを破いたのか」
「全員名前は知っています」
「さきほど先生方にも確認してもらいましたが、もう完全に犯罪行為ですよね」
「頭の悪い君達に言っておくけど、もう簡単に君達の人生を俺は変えられますから」
「例えば君達が退学になったら、それは他人事で誰も相手にしてくれない」
「これから先、犯罪者として、高校中退者として生きていく事になります」
「それだけじゃなくて、民事で賠償も被せます」
「両親は借金してでも、お金を払わざるを得ないと思いますよ」
「どうしますか?まだイジメを続けますか?」
さっきのグループで俺から目を離さなかった子の目の前に立って、目を見ながら言ってやった。
さっきまでの強気な眼差しは無く、ただただ焦って臆病者の目に変わってた。
「もし続くなら、さっき先生方と喋った内容、彼女のアザなどを、ネットで公開します」
「TV局が取材をしてきたら、積極的に協力して潰しにかかります」
「もちろん全て警察にも被害届を提出しますし」
授業は始まっていたけど、廊下には他のクラスの子達まで見物しにきていた。
もう心臓はバクバク。こんな人前で喋ったのは初めてだったし。
何度かドモッたり言い間違いもしたけど、それでも自分では満足いくぐらい喋れた。
「彼女はこれからもここに通います。だから皆さん、宜しくお願いします」
最後に俺は教室と廊下にいる子達に頭を下げた。もちろん先生にも。
先生は何度も俺にペコペコしていて、事の重要性を理解しているようだった。
半分以上ハッタリだったけど、どうやらうまくいったらしい。
彼女を残して俺は先生に見送られて校門を出た。
その日の夕方、彼女からメールが届いた。
あのグループ以外の子達から、ゴメンねって言われたって。
今日は何もイジメられる事も無く、さっき家に帰ってきましたって。
次の日、俺は講師の先生に、先日の話を持って行った。
録音した中身も聞いてもらって、全てを聴いてもらった。
もし次に何かあったら、自分はどうしたら良いのかの判断を仰ぐ為に。
先生は親身になって答えてくれた。
しかもそのまま居酒屋へ移動して、あらゆる方向性を提案してくれた。
最後にはなぜかアツくなった先生に肩を抱かれ、何かあったら相談に来いって言われた。
その後彼女からは毎日メールが届いて、イジメはありませんという報告を受けた。
次第にそれだけじゃなくて、世間話もするようになってた。
クリスマス間近になって、生まれて初めて女の子から誘われた。
いくらなんでも女子高生とデートなんて・・・と思ったが、遅くならなければ良いかってなって。
オヤジに車を借りて、彼女のお台場に行った。
久し振りに会った彼女には、あの頃の暗さもなく、明るい元気で可愛い女の子になってた。
自分が辻ちゃんに似ていると自覚しているのか、私服もなんとなくそれ系の格好。
俺なんかじゃ絶対釣り合わないぐらい可愛いから、年下なのに緊張しまくだった。
お台場の砂浜にあるベンチに座り、彼女は俺に手編みのマフラーをくれた。
俺は考えに考えた末選んだ、小さな輪を繋げたようなネックレスをプレゼントした。
「ねぇ~つけて?」喜ぶ彼女は、俺にネックレスをつけてくれと言ってきた。
可愛すぎだろ~って思いながら俺は腕を回して首に付けてあげた。
つけ終わって離れようとした時、彼女から突然キスをされた。
チュッていう可愛いキスだったけど、唇にチュッとキスを。
彼女はそのまま下を向いて、俺はちょっと固まってしまった。
気を取り直して「こっち見てごらん?似合ってるかな?」って言うのが精いっぱい。
今まで彼女は2人だけいたけど、こんな胸がキュンとするキスは初めてだった。
彼女は無理矢理おどけて「似合うかなぁ~」ってはしゃいでた。
ここが男の見せどころだ!って自分に言い聞かせ、不自然だったけど彼女の肩を持ってキスをした。
肩を持って見つめ合いながら顔を近付けると、彼女は目を閉じてくれた。
チュッとキスをした。
そんでまたチュッチュッと2回ばかしキスをした。
舌を入れるようなキスをしても良いのか?って思いながら、もう一度チュッとキスをした。
その後手を繋いで砂浜や公園を歩いた。
観覧車にも乗って、一番上辺りでもう一度キスをした。
車で彼女の地元に戻り、小洒落たパスタ屋で夕食を食べた。
マンションの前まで送り、彼女が車から出ようとした時、勇気を出して言った。
「俺と付き合って下さい」
なんで手を出したのか分からないけど、昔のねるとんみたいな感じでw
彼女はそっと俺の手を握ってきた。
「こちらこそお願いします」
つづく
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